家族の団欒
あぶちゃんの家にも20年くらい前まで<卓袱台(ちゃぶだい)>があった。
卓袱台は現在のテーブルだけど…
卓袱台を囲んでいる時、其処は何時も団欒のひと時だった。
どっかりと腰を据えた親父の胡坐(あぐら)の中に、先を争って入り込もうと兄弟喧嘩する子供たち。
座りそびれて、泣く泣くお婆ちゃんと母親の膝で我慢する兄弟たち。
それぞれが鎮座すると、それぞれの背中から、胸から、心臓の鼓動が伝わり合い暖かな温もりを感じ合う。
むか~し、むか~し、あるところに…
子供たちは座るたびに、お婆ちゃんの昔話をせがむ。
卓袱台の上には母親のてんこ盛りの手料理が並び、仲よく分け合って食べる。
あり合わせの材料で作った料理だったが、愛情のこもった一品一品はどれも食べても旨かった。
そんな卓袱台の周りには何時も素適な笑顔があった。
時は移ろい…
お婆ちゃんと女房が逝き、二人の姿が卓袱台から見えなくなってしまった。
子供たちも独立し始めて卓袱台はもはや粗大ごみとなってしまった。
卓袱台が惜しいのではない、団欒が無くなってしまったのが寂しい。
スーパーマーケットに買い物に行くと、ある事実を発見した…
勤め帰り途中の主婦たちが総菜売り場でサンプルの味見をしながら物色している。
ほとんどの主婦の買い物籠は、パック詰めの物ばかりだった、それも半端な量じゃない。
きっと親から独立した、共働きの家庭なのだろう、今夜の惣菜と明日の弁当のおかずの調達らしい。
それぞれの好みの食材の調達に苦慮しているようだ。
急いで家に帰って、電子レンジで温めて…さぁ、お食事にしましょっ!
食事が済むと、早く宿題をしなさい!ってことでそれぞれの部屋に…
食堂のテーブルには誰もいない。
親は、家のローンや車のローン、子供の塾の金策のための仕事の事で精いっぱいだ。
ロック付の部屋に籠った子供はファミコンやケータイでピポパポ…
年寄り夫婦の買い物は…パック詰めではなく、それぞれの素材を単品で求めている。
これ、美味しそうね!と仲睦まじく相談しながら物色している。
夫婦で一緒に料理を、否…会話の雰囲気からして、おそらく旦那さんがエプロンをかけて作るのだと思う。
「良いから、いいから、お前はテレビでも観ていろよ」
「今まで散々苦労を掛けてきたんだからさ」
「お前に尽くしたいんだよ」
団塊の領域に入ったからこそ味わえる、二人だけの素晴らしい思いやりと団欒のひと時があるに違いない。
昔は…朝、いたるところから包丁がまな板を鳴らす「トントントントン」という音が鳴り響き…
夕暮れ時には、みそ汁の匂いと焼き魚や煮物の匂いが漂い、帰ることを忘れていた子供たちもこの匂いに誘われるようにして我が家へと帰ったものだ。
味噌汁のお椀の形…あれはカ~チャンの<おっぱい>なんだって!
おっぱいに触れていると心が鎮まって…
千昌夫の『みそ汁の唄』
おふくろさんのみそ汁が喰いて~な~!
旨い味噌汁…あったかいみそ汁…これがおふくろさんのあじなんだね~
皆、みんな卓袱台のあった時の世界で、お互いの心臓の鼓動を聞きながら、体温を感じ合ったからこそ家族の強い絆が生まれていたのだ。
無味乾燥してしまった今、スーパーマーケットの老夫婦も本当は若夫婦や孫たちと一緒に、匂いや音や、心臓の鼓動を感じる事の出来る、大きな卓袱台を囲んだ団欒を何処かで求めているのではないだろうか。
あぶちゃんの夢…<でっかい卓袱台>にもう一度座ってみたいな!
卓袱台は現在のテーブルだけど…
卓袱台を囲んでいる時、其処は何時も団欒のひと時だった。
どっかりと腰を据えた親父の胡坐(あぐら)の中に、先を争って入り込もうと兄弟喧嘩する子供たち。
座りそびれて、泣く泣くお婆ちゃんと母親の膝で我慢する兄弟たち。
それぞれが鎮座すると、それぞれの背中から、胸から、心臓の鼓動が伝わり合い暖かな温もりを感じ合う。
むか~し、むか~し、あるところに…
子供たちは座るたびに、お婆ちゃんの昔話をせがむ。
卓袱台の上には母親のてんこ盛りの手料理が並び、仲よく分け合って食べる。
あり合わせの材料で作った料理だったが、愛情のこもった一品一品はどれも食べても旨かった。
そんな卓袱台の周りには何時も素適な笑顔があった。
時は移ろい…
お婆ちゃんと女房が逝き、二人の姿が卓袱台から見えなくなってしまった。
子供たちも独立し始めて卓袱台はもはや粗大ごみとなってしまった。
卓袱台が惜しいのではない、団欒が無くなってしまったのが寂しい。
スーパーマーケットに買い物に行くと、ある事実を発見した…
勤め帰り途中の主婦たちが総菜売り場でサンプルの味見をしながら物色している。
ほとんどの主婦の買い物籠は、パック詰めの物ばかりだった、それも半端な量じゃない。
きっと親から独立した、共働きの家庭なのだろう、今夜の惣菜と明日の弁当のおかずの調達らしい。
それぞれの好みの食材の調達に苦慮しているようだ。
急いで家に帰って、電子レンジで温めて…さぁ、お食事にしましょっ!
食事が済むと、早く宿題をしなさい!ってことでそれぞれの部屋に…
食堂のテーブルには誰もいない。
親は、家のローンや車のローン、子供の塾の金策のための仕事の事で精いっぱいだ。
ロック付の部屋に籠った子供はファミコンやケータイでピポパポ…
年寄り夫婦の買い物は…パック詰めではなく、それぞれの素材を単品で求めている。
これ、美味しそうね!と仲睦まじく相談しながら物色している。
夫婦で一緒に料理を、否…会話の雰囲気からして、おそらく旦那さんがエプロンをかけて作るのだと思う。
「良いから、いいから、お前はテレビでも観ていろよ」
「今まで散々苦労を掛けてきたんだからさ」
「お前に尽くしたいんだよ」
団塊の領域に入ったからこそ味わえる、二人だけの素晴らしい思いやりと団欒のひと時があるに違いない。
昔は…朝、いたるところから包丁がまな板を鳴らす「トントントントン」という音が鳴り響き…
夕暮れ時には、みそ汁の匂いと焼き魚や煮物の匂いが漂い、帰ることを忘れていた子供たちもこの匂いに誘われるようにして我が家へと帰ったものだ。
味噌汁のお椀の形…あれはカ~チャンの<おっぱい>なんだって!
おっぱいに触れていると心が鎮まって…
千昌夫の『みそ汁の唄』
おふくろさんのみそ汁が喰いて~な~!
旨い味噌汁…あったかいみそ汁…これがおふくろさんのあじなんだね~
皆、みんな卓袱台のあった時の世界で、お互いの心臓の鼓動を聞きながら、体温を感じ合ったからこそ家族の強い絆が生まれていたのだ。
無味乾燥してしまった今、スーパーマーケットの老夫婦も本当は若夫婦や孫たちと一緒に、匂いや音や、心臓の鼓動を感じる事の出来る、大きな卓袱台を囲んだ団欒を何処かで求めているのではないだろうか。
あぶちゃんの夢…<でっかい卓袱台>にもう一度座ってみたいな!
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