春爛漫の休日

今日は定休日だから、花見を兼ねてのんびりと過ごそうと家を出た。
河岸段丘の春靄のかかった斜面には山桜やコブシ、ヤマブキ等の花たちが彩よく咲きほこっている。
車から降りてのんびりと山の中に入った。
山の斜面を切り開いて作った小さな畑の中で、腰がくの字に曲がったお婆ちゃんが、エプロンにもんぺと地下足袋を履き、手ぬぐいを姉さん被りにして、剪定した桑の枝を片付けている姿は、眼下に広がる景色の中に融け込んでまさに絵本の世界を見ているようだ。
挨拶しながら畑の脇に腰を下ろすと、仕事の手を休めて横に座り、お婆ちゃんの四方山話が始まった。
嫁いでから70数年の苦労話から始まって、今こうして元気でいられる幸せを感謝しながら、何時お迎えが来ても悔いは無いと語ってくれるその姿は神々しく見える。

お婆ちゃんと別れて沢筋に入った。この沢の奥ではコゴミが採れるのだが、何時も2~3日遅れで採取時期を逃している場所だ。藪をかき分けながら目的地に着くと、好ましく芽生えたコゴミが出迎えてくれた。感動の一瞬だ。
はやる気持ちを抑えて腰を下ろし、先ずはご対面を祝して一服しながら周りの景色を楽しむことにする。
ニリンソウの淡いピンクの花が、絨毯を敷き詰めたように木漏れ日の下で咲き乱れている。
吐き出したタバコの煙が、右に行ったり左に来たり、クルクル回ったりして大気たちと遊んでいる。
心は落ち着き、呼吸は静かになり、頭の中が空っぽになった。ズ~とこのままで居たいなぁ。
我に帰って…「ありがたく頂戴します」と挨拶しながら一株ひとかぶ丁寧にコゴミを摘んでいく。

沢を抜け出てから今度は別の山にヤマウドを掘りに向かう。
昨年の枯れ木の根元の土を除くと、実に旨そうなヤマウドが現れた。来年も収穫するために乱獲は止めよう。
ナイフで切り取ると、素晴らしい香りが漂って来た。土を除いてかじるとカリッと音がして、得も言われぬ風味が口中に広がって来た。

帰り道に、何時もの場所でワラビを摘み、途中でスーパーに立ち寄って酒宴のつまみと日本酒を調達して帰って来た。
公園の桜よりも大自然の花見は本当に素晴らしかった。今日一日の仕上げは旨い酒を呑むだけだ。
摘まみの鮮魚は、鯵のたたきとマグロの刺身とエビ。
山菜は初物のコゴミのサラダに、ヤマウドのきんぴらとワラビと油揚げの煮付けになった。カンパ~イ!

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ひと眠りして目が覚めたら夜が明けて白じらとしている。好し!摘み草に出発しようと支度を始めてラジオのスイッチを入れたら「午後6時をお知らせします」と流れて来た。




この記事へのコメント

2019年04月16日 11:42
先日は急におじゃましまして
失礼しました。
いつも旨そうな一品(^^)
これも食べたいです♪
あぶちゃん
2019年04月17日 03:58
やまやさんへ…あの時やまやさんだと分かっていたら、もっと話を聞きたかったのです。残念でした。

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