何度も見る夢は…

朝5時少し前、ラジオのスイッチを入れるとラジオ深夜便で、同じ夢を何度も見るという視聴者からの声が流れていて、思わずうなずいてしまった。
知らず知らずのうちに、気になる事が脳の中にインプットされていて、そのことが夢となって現れるらしい。
おいらも同じ夢を20年ちかく見続け、そのたびに身体がビクンッ!と跳ねて目が覚めた。
現れる光景はまったく同じだから、今でもはっきりと覚えている。

甲斐駒ケ岳の岩壁を登攀中に墜落して、300m以上も空中を落下していく。
谷底が近づいてきて、身体が岩に激突する寸前に、山頂から大雪崩れが発生して呑みこまれて、大勢の人たちと一緒に、もみくちゃになって流されていく。
気が付いたら、氷河のセラック帯(氷搭)を黙々と歩いている。
氷河を抜けると何故か新疆ウィーグルの高原に出た。
まったく音もなく静まり返った、果てしなく広がる高原にはおいらが独りだけ。
そんな中に、長年風雨に晒されて倒れかけた小屋があった。
壊れた板の隙間から陽が差し込んでいる。
中に入ると、小屋の片隅に隠れるように親友のM君がうずくまっていた。
「こんな所にいたのか。なんで帰ってこないの?」と言うと「こんなになっちゃったから、今更みんなの前に出ていく訳にもいかないし」

何時もここでビクッ!として目が覚める。
身体中汗まみれで寒気が走る。
墜落中の光景はダイヤモンドAフランケだが、落ちたくないという思いが何時も頭の中にあったからだと思う。
雪崩れに呑みこまれる光景は、やはり甲斐駒ケ岳の奥壁でS山岳会の三名が逝く場面と、ダイヤモンドBフランケで雪崩れの爆風に吹き飛ばされた時の光景がダブっている。
氷河の中は、赤蜘蛛同人の面々と行動した時の光景だ。
新疆ウィーグル高原のM君との再会は、おいらの願いだった。
M君はヒマラヤの高峰で帰らぬ人となり、いまだ遺体は発見されずにいる。
何10回となく見た悪夢だったが、最近は歳のせいか見なくなった。

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