あぶちゃん日記

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zoom RSS 中ア縦走昔話

<<   作成日時 : 2016/02/20 12:04   >>

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淡い望みも大型の低気圧接近で消えてしまった。これで当分の間山には登れそうにない。
昔の中央アルプス縦走を思い出した。
あの時も2月の今頃だった…

駒ケ根高原から黒川林道を詰めて伊勢滝を過ぎ、樹林帯に入ったが雪はカチカチに締まっていて、アイゼンを付けなければ歩けない想定外の絶好の状態だったから、予定より3q先に進んで一夜を過ごした。
二日目も全く同じ条件だったから予定以上に歩は進み、稜線に出た所で幕営の予定も変更して宝剣岳山頂に立った。

画像


山頂から極楽平までの稜線は、中ア縦走の工程で最難関の箇所だ。
木曽の谷から吹き上げる烈風に、繋ぎ合っているザイルが空中に舞い上がり弧を描く。
キスリングザックが風にあおられて、身体ごと吹き飛ばされそうになる。
岩場を過ぎて、ナイフの刃のような鋭い氷の稜線は立つことが出来ないから、稜線を跨いでジリッ…ジリッと進むが、こめかみが痛くなるほど緊張している。
宝剣岳越えは3時間を要したが、極楽平に無事に辿り着いた。
宝剣岳の西側の谷を昔から地獄谷と呼んでいる。地獄の淵を必死で通り、ほっとした平が極楽平という事らしい。
陽はすでに落ちて風は弱まり、満月に近い月が氷の稜線を照らして明るいからライトもいらない。
アイゼンで氷を踏みしめる音がカリッ!カリッ!と心地よい音を奏でる。こんなに気持ちが好いのだからずっと歩いていたかった。夜の8時過ぎ、二日目の幕営地は風が吹き抜ける鞍部を避けて濁沢岳の天辺の岩陰にした。
三日目はのんびりと出発する事にした。三日分の行動を二日で消化してしまったし、天気も好いからテントやシュラフを天日干ししてから出発した。今夜のねぐらは木曽殿越だから3時間も行動すれば到着してしまう。
早朝出発して、空木岳から南駒ケ岳を往復しても、空木岳からの下山の途中に、最大の雪崩の危険個所の通過時間帯を考えた結果の行動だ。
四日目の早朝に空木岳山頂に立ち、軽い荷物で南駒ケ岳の往復は駆け足で2時間。夏道より歩き易かった。
いよいよ下山にかかった。
駒石を過ぎ、迷い尾根の頭に到着した時はまだ正午前だ。
このまま下ればあと3時間もすれば家に帰る事が出来る地点だが、少なくともあと1時間早く到着したかった。
と言うよりも…本来なら最初からここで幕営するつもりだったが、あまりにも雪の状態が好くて早く降りてきてしまったからだった。
ここから先100mの斜め下降のトラバースは雪崩の発生する危険極まる場所なのだ。
今までにも多くの人がここで雪崩に遭って亡くなっている。
偵察に出てみると、急斜面からスノーボールがコロコロ落ち始めている。
雪崩れる前兆だ。前進はできない。今日の行動はこれまでだ。
眼下に自分の家が見えているのに帰れない。
明日の早朝、雪が締まって安定している時に行動しようと言う事で、四日目は昼から酒盛りが始まった。
五日目の早朝、3時間かけて100mのトラーバースは終わった。あとは緩やかな登山道を下るだけだった。
時間は有り余っているから、池山経由を変更して、マセナギから伐採の終わった雪の大斜面を、キスリングザックを橇にして大滑走がフィナーレとなった。
氷の宝剣岳、月夜の稜線漫歩、決死のトラバース、ザックに跨っての大滑降…実に楽しい5日間の山だった。


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